大好きな役者さんがまたひとり、空へ。
- 2020.12.16 Wednesday
- 23:49
声優・俳優として活躍されていた、佐久田脩さんが、お亡くなりになった。
62歳という若さで、旅立ってしまわれた。
今でこそ、声優として活躍されていた佐久田さんですが、ご存知の方も多いとは思いますが、子役時代から活躍されていたことでも有名な方でした。東映特撮ファンにはとても有名なお話しですが……
子役時代に『仮面ライダー』シリーズに出演した10数年後、今度は、ご自身が主役を演じられたのが、『星雲仮面マシンマン』でした。
東映作品ではありますが、放送局は日本テレビだったという、今、考えてもちょっと不思議な感じ。
メタルヒーローでもない、スーパー戦隊シリーズでもない、ライダーシリーズでもない作品ですが、知る人ぞ知る「名作」。
原作は、石ノ森章太郎先生。
佐久田さんが演じられたのは、プレアデス星団・アイビー星に暮らす大学生、ニックという役どころで、日本名を「高瀬健」と名乗る、気の良い青年。
ニックは、大学の卒業論文を書くために、はるばる、プレアデス星団から太陽系第三惑星・地球へやってきたという設定で、東京へ降り立ったニックは、そこで出会った、フォトグラファーの葉山真紀さんに「ひとめ惚れ」。おてんばな彼女が事件に巻き込まれ、自身が持っていたチカラ(そもそもが地球人ではないので、怪力の持ち主だったり、遠くの音が聞こえたり、ちょっとした透視能力などを持っている)で、それらを助けたことがきっかけで、彼女を守りたいがために地球滞在を決めた……という、なんとも異色なヒーローのお話しです。
とーにかく、異色というか、なんとも「のんびりした」展開と内容。
敵対するのは「テンタクル」を名乗る謎の組織と、そのリーダーである、プロフェッサーK。のちに、プロフェッサーKの「姪っ子」レディMと、彼女が率いる「オクトパス」という犯罪組織が相手となります。
そして、この番組の一番の特徴は、
「誰も死なない」
ということ。
KやMが作るロボットの類は破壊しますが、巻き込まれて犯罪を犯した「ニンゲン」に対し、ニック……マシンマンの必殺技が「カタルシスウェーブ」を放つと、途端に改心して、謝り倒し、警察へ自首する、もしくは自分が犯した罪を反省するというユーモアあふれる展開で、最終的には、KとMも、いずこかへ消えていきます。
マシンマンは、口元が見えるマスクだったので、佐久田さんご自身も、変身後=マシンマンを演じることが多かったそうです。
一時、私はこの番組そのものを、ちょっとわけがあって……資料をあちこちで集めまくった覚えがあります。もちろん、今でも大事にしています。
一番の宝物は、佐久田さんの直筆サインです。とある番組で当選しまして、今も大事にしております。
声優としては、洋画の吹き替え、アニメでも活躍。
また、NHK副音声の案内も担当したものが多く、変わったところでは、某社のAEDの音声ガイドも、佐久田さんなんだとか。
とても落ち着いた、ちょっと低めの声色。
ニック……健さんは、黒縁のメガネをかけていて、いつもニコニコしている、近所のおにいさんという感じでした。
この、健さんの笑顔は、そのまま、佐久田さんご自身に通じるんじゃないかと思うくらい、歳を重ねられても、健さんそのまんま。
私は残念ながら、機会がなくて直接、お会いできなかったのですけれど、お会いした方々によれば、
「もう、健さん、そのまんまの、優しいおにいさんですよ」
とのこと。
所属されていた事務所の写真を見ると、ホント……健さんがいるって……思っちゃうくらいです。
亡くなった原因が、膵臓がんだったそうで……
膵臓はね……なかなか難しい……そして、若い分、進行も早かったのかもしれません。
私と同じ、がん患者だったんだね、佐久田さん。
自分が知っているヒーロー役者さんが、お亡くなりになる。
それは、自分も年齢を重ねているということになります。
空の上には、石ノ森先生もいるでしょうし、「マシンマン」で共演された、曽我町子さんや天本英世さん、そして役者仲間さんもたくさん、いらっしゃるでしょう。今頃、再会されているかしら……
「来るのが早すぎるよ」
なんて言われているかもしれませんね……そして、あの笑顔で、応えているのかもしれません。
佐久田さん、もう、治療の苦しみや痛みからは解放されましたよね。もう、苦しむことはないですよね。
どうか、ゆっくり……休んでください。
ココロから、ご冥福をお祈りいたします。
私には、いつまでも「正義の味方」の、優しいおにいさんのままです。