高齢ドライバーだけじゃないんだけれどな。
- 2019.07.01 Monday
- 06:51
ロードサービスの仕事に就いていると、昨今、ニュースで話題になっている高齢ドライバー問題というのは、身に染みて感じることがある。
仕事柄、救援依頼をしてくるお客様の個人データというのを閲覧するのだが、それらの年齢を見ていると、本当に高齢者が多いなぁと感じるのだ。電話の向こうのお声も、よれよれだったり、お耳が遠い方だったり……もちろん、ハリのある声をされている方もいるけれど、これまた長く声を聞く仕事に就いているからだろうか、声色などでおおよその年齢などがわかるという、妙な特技があったりする。どんなに声にハリがあっても、声色の衰えというか…うまく言葉にはできないが、微妙なところというのは「雰囲気」で感じ取れることもあるのだ。
だいたい、救援依頼をしてくる人たちの口癖のようなものがあって、年齢が高くなるに従って、男女関係なく聞く言葉が、
「もう〇〇年、運転していても無事故無違反だったのに……」
という言葉だ。そういう人に限って、年齢を見ると70歳以上ということが多い気がする。
当然のことながら、年齢が高くなるに従って、反応速度や瞬時の判断力というのは鈍ってくる。
クルマは機械の塊で、操作性や居住性は高くなっても、意外とめんどくさいというか、手のかかるモノだということが理解できない(理解したくない)人もいるのではないかと思っている。
実際、イマドキのクルマって色々……思わぬトラブルが起こるモノでもあるのよ。
一例として、カギの閉じ込み(インロック)防止機能がついているクルマなのに、中に鍵を入れたまま、ドアが閉じちゃったという問い合わせがあるんだけれど、あくまでも「防止機能」であり、絶対に起こらないとは限らない。どこまで理解しているかということにもつながってくるんだけれど…しかも、今のクルマってセキュリティがしっかりしているものだから、カギ開けに苦労するクルマも多いんだよね。
カギ開けの技術は特殊技能でもあるから、クルマの種類によっても技術の腕前が試されると聞く。だから、インロックの問い合わせを受けた場合、まず聞くのが車種名。たとえば、プリウスだとかフィットだとかセレナだとか……場合によっては外国車もある。クルマの型式や製造年を聞くこともある。
高齢者だけじゃない。年齢に関係なく、クルマを運転している、免許を保持しているのに、どうしてそれができないのか、理解してくれないのかと苦しむ問い合わせもある。
私が免許を取得した当時は1か月くらい、自動車学校に通った。でも、今は合宿免許とか言って、最短日数で取得できるというシステムもあるようだけれど、正直、この合宿免許って私はどうしても疑問に思わざるを得ないところもあるんだよな。
「いやー、クルマのこと、わからないんで……」
と、救援依頼の電話の向こうであっけらかんと言われてしまうと、場合によってなのだが、ものすごい呆れてしまう(言葉は悪いが殴りたくなることもある…)という案件も少なくないのも事実なんだよなぁ……まぁ、言葉には出さないようにしているけれど。
あと、イマドキのクルマって性能が良すぎて、突然、トラブルに見舞われることも多い。
たとえばバッテリー上がりがいい例で、コンパクトな箱になって容量もきちんとしているものが多いけれど、使い込むだけ使い込み、突然、バッテリー上がりが起こることもあるんだよね。
「ええっ?だって、さっきまで走っていて、ちょっとだけ駐車していただけなのに」
と、驚かれる人もいる。
「室内の電気はつくし、カーナビもつくのに、エンジンがかからない」
という問い合わせも多い。使用頻度にもよるのだが、新品のバッテリーでも、だいたい3年くらいが限度と言われている。ご存知の方もいるかと思うが、バッテリーはエンジンをかけるときが一番消費量が多い。だから、バッテリーがヘタっていると、エンジンがかからないこともあるのだ。
特に、これからの季節は、エアコン全開で走行するクルマも多いだろうから、できれば、簡単でもいいのでバッテリー電圧、そしてエアコン周りの点検・清掃をオススメしたい。ディーラーは高くつくとかいう人もいるけれど、やはり専門技術が必要なので、自動車整備士の資格を持った人に点検してもらうことを強くお勧めする。
手抜きして、のちのち、結果的に高くつく、ということにもなりかねないからね。
電子制御が多いイマドキのクルマ。きちんと面倒を見てあげないと、あっという間に機嫌を損ねるよ。
クルマやバイクは走る凶器。
運転するなら、それ相応の責任が必要だということを、私自身も肝に銘じ、今の仕事を続けていきたい。
嫌いじゃないからね、今の仕事。