仕方ないとは言っても。

  • 2016.02.28 Sunday
  • 08:57
自分がそれなりに得意とする分野ってのは、誰にでもあると思う。
たとえば、料理とか、お掃除とか、電車の時刻表を読むとか、テレビドラマとか……些細なことでも、誰にでもあることだと思うのね。
だけど……これ、書いてしまうと……お叱りを受けるかとは思うんだけれど……自分がそれなりに得意にしている分野を「取られちゃったような」感じだとしたら……?
いや、人それぞれなんだよ。別に誰が何を得意としたり、好きになったりすることってのはかまわないんだよ。そんなもん、誰かに許可取るわけでもないし、自由なんだし。それは私にもちゃんと、理解できる。私だってそれなりに年齢を重ねてきているから、まぁ、ひと通りはわかっているんだ。

だけど、さ……

それなりに得意分野・好きな分野で話をしてきた人たちに、新しい人が加わり、その人が、意識していなくてもどんどん、自分の領域に入ってくる……それって、正直、私には、ちょっと耐えられないこともある。
全部が全部、悪いわけじゃないし、相手も意識しているわけでもない。話をすれば楽しいし……
私自身も、もしかしたら、その相手やほかの人たちの領域に入っているだろうし……
だけど、どーしても太刀打ちできなくなる……あとから来た人が、やたらと周囲の人たちと馴染んで、打ち解けて話をして、あっという間に領域を広げてしまう……そのことが、私には正直、しんどかったりもするのだ。

考えすぎかもしれないけれど、私には、こういうことが非常に気になって仕方ない部分でもある。

言葉は悪いけれど、大事な人たちをとられちゃったような感じとでもいうのだろうか。

私は決して、アタマのいい人間ではない。
だけど……ひとつくらい、得意分野にしたいことだってあるんだよ……

なんで、こうなっちゃうんだろうな……

飲み仲間。

  • 2016.02.26 Friday
  • 23:43
とあることがきっかけでお知り合いになった、Hさんという男性がいる。
時々、ふたりでお酒を飲みに行くことがある。と言っても、この方、奥様もお子さんもいる、家庭人であり、そしてとても苦労人でもある。しかし、懐が広いっていうか、器が広いっていうか……豪快な人でもある(笑)年齢的には、私にとっては弟みたいな感じだ。

昨夜、渋谷駅で待ち合わせをして、彼がお気に入りの某お店へ行った。
このお店は彼のお気に入りで、実は一度、連れてきてもらったことがある。しかし、目の前がラブホ街なので、初めてここに来る人は一瞬、ビビるそうだ(笑)ま、そりゃそうだわな。

もっぱら、話を聞いてもらうのは私のほうだったりする。
とにかく、しゃべる。普段、しゃべらない分、めいっぱい、しゃべる。
彼が、どれだけすごい道を歩いてきたのか、ちらほらと聴いているけれど、ちょっとやそっとのことでは動じない、すごい信念を持っている人でもある。だからなんだろうな、私の話を聞いて、ひとつひとつ、それに対して答えてくれる、その真摯な姿勢は、ホントに好感を持つっていうか、安心感っていうか。
お酒のチカラもあって、私、とにかくしゃべった。
話題はいろんなことに及ぶ。
音楽のこと(彼はウインドシンセサイザーを演奏する趣味も持っている)、互いの仕事のこと、クルマのこと、SNSのこと……
私が個人的に悩んでいることも、彼はちゃんと御見通しで(笑)、色々話をしてくれるのだ。

彼と飲んでいると、かなりお酒が進むのも事実である(笑)
ホントにおいしいお店をよく知っているんだよね……この、渋谷のお店もそうだったし。
私「いつか、あの人、連れてきてあげたいなー」
彼「ああ、あの人ね。オレも一度はしゃべってみたいんだよね」
なんて話も……

「あのね、ささやん、あんたは俺からしてみると、かーなーりー、自分を抑えていると思うよ?それがいつか、爆発しないように、祈っているけれどさ。やりたいことは口にしてみないとダメだよ」

ふと、こんな言葉を言われた。
やりたいことは言葉にしないとダメ……か。

色々ね。考えてるの。
でも、まずはどうなるか……最初の一歩、踏み出してみた。
外へ行くのが怖い、周囲の目が気になる、周囲との壁を作っている……
とにかく、トラウマをいくつも抱えている今の自分。
そういう自分が、果たしてどこまで……できるか。
やってみるしかないだろう……

帰り際、彼が言った。
「俺は、ささやんは「飲み友達」だと思ってる。いつでも呼んでよ、周囲なんて気にしないでさ。オレでよければ、ぜーんぜん、無問題(笑)楽しく飲んで、食べて、しゃべることができるのって、大事なことなんだぜ?今度はまた、RさんとかKさんとか、Kちゃんとかも呼んで、できれはあの人も(笑)一緒に、みんなでしゃべりたいね」

うん、そうだね。
ありがとう、Hさん。ホントにありがとうね。

自分を抑えている……か……
やっぱり、そう見えるんだろうなぁ……

久しぶりに。

  • 2016.02.21 Sunday
  • 18:11
私の故郷に暮らす友人・Sちゃんがお仕事の関係で上京してきた。
帰る前に会いましょってことで、実に数年ぶり……たぶん、5年は軽く経っている……に、顔を合わせた。
彼女は長かった髪をばっさりカットして……雰囲気も随分変わっていた。現在は、私の地元仲間でもある、Kさんの事務所に勤務しているそうだ。Sちゃんも色々……あったことは私も知っている。今、彼女がKさんのところで仕事しているのは、それらのことを踏まえてのことだということも。

新宿の某所でランチ。
すっごい贅沢なランチをしてきた。へへ……日曜日だからいいかーって言って、ふたりでビールを飲みながら、お好み焼きともんじゃをつつきながらおしゃべりしてきた。
地元は随分と静かになってきているそうで……私も少し前に日帰りで行ってきたが、確かに帰るたびに、なんだか寂れていくような気がしないでもない。駅前も随分と静かになっている。もともと、それほど人口が多い市ではないのだが……
「地元離れて、もう何年になります?」
「んー、今年で12年目、かな?色々ね、あってね……」
「こっち(地元)には帰ってくる気は?」
「今はないかな……こっちでやっていることも多いし、帰ったらきっと、親戚筋がうるさいし(笑)」
「ああ(笑)」
実家方面で、ちょっと前に気になっていたことがあって、その旨を聞いてみたりもした。
私の仕事柄、ちょっと……気になっていたことがあったのだが……ああ、そうだったのか、と……やっぱりな……と思った。
だけど……どうしようもない、今となっては。
今は、そっとしておいてあげたいという気持ちは、私も彼女も同じだ。
少し、時間を置くしかないだろう、今は特に。

そのほかにも、彼女の仕事やら、私の趣味やら仕事やら……短い時間を惜しむようにして話をした。
思わずビール、2杯も飲んじゃったよ(笑)でも、それくらい、楽しくて、料理もおいしかったんだよね。私もSちゃんも、おいしいものを食べるのが好きなもんで〜。
「ささやん、充実しているんだね」
「え?」
「一生懸命、歌って、仕事して……ひとりでこっちで暮らしてる。それは、私にはできないことだからさ」
「うん……私はたまたま、こっちに出てくる機会があって、それから、だからね」
「こればっかりはね〜。でも、よかった……元気そうで」
「ありがと」
「今度はこっちに帰ってきてよ。歌、聞かせてよ」
と言ったので、私がちょいと録音しておいた某曲を聞いてもらったところ、彼女はまず、びっくりしてくれた。
「これ、マジでささやん?声が全然違うじゃん!」
「そんなに違うかな?」
「うん。だって、話すときの声って少し高めの声でしょ。だけど、歌う声は低いし……よくこの低音、出せるなぁ」
「レッスンの賜物です(笑)」
「すっごいな、これ……実際に聞いてみたい!」
「じゃ、今度地元に帰ったときにでも歌いに行こうか」
「ですね!ぜひぜひ!」

高速バスで帰る彼女を見送り、私はほろ酔い気分で電車に乗った。
一応、その前にコーヒーを飲んで中和させてみたり(笑)ま、気休め程度なんだけれどね。
ホントに久しぶりに、地元の仲間と話をしたなぁ。

いい休日だった〜(^_^)

歌ってきました〜♪

  • 2016.02.16 Tuesday
  • 20:57
先週の土曜日、およそ9か月ぶりのライブ出演をしてまいりました〜。
総勢15組、6時間に及ぶ長丁場という、おっそろしいライブ。イベントとしては50回を超えているそうで、3人の常連さんが中心となり、ずっと続けているイベント。実は、昨年の1月末に私が、素人ながら「歌い手」としてデビュー&初めて歌わせていただいた、思い出のあるライブイベントでございます。
色々ありまして、今回は突然決めたこともあって、不安もあったけれど、どうしても歌いたくて……ね。

今回の最年長は、なんと私(笑)一番の若手は現役高校生。娘・息子の年代よー!!
そして、平均年齢はたぶん30歳くらい。みんな若い、元気、そしてノリがよい(笑)
最初から最後までかっ飛ばしてくれるものですから、おばちゃん、ついていけない部分もありましたけれど(^_^;)、でも、確実に「元気」はいただきましたね〜。うん、ホントに元気!
セトリ(セットリスト=歌う順番とでもいうのかな)も、すっごいバラエティに富んでいて、アニソン・特ソン・VOCALOID曲まで。歌われる年代も様々です。私自身、聞いていても新鮮だったりもします。私自身は年代的には80年代90年代が中心になりますから。
ソロで歌う人がメインですが、今回は男女ユニットも2組、おりまして、これがまた面白い。

音合わせから楽しんじゃっている、私たち演者の面々。
真剣さの中にも、楽しいっていう雰囲気が出ていて、おかーちゃん、見ていて和んだ(笑)
そして、上手いんだな、みんな。確実に上手いんです。特に常連お三方が本当に上手いのです。聞いたお話によると、そのうちのおひとりはミュージカル出身だそうで……声の張りも全然違うのですよ。うらやましいくらいに発声が綺麗なんです。
演者の面々、本当にみんな楽しい人ばっかり。
そうそう、楽屋には、ハッピーバレンタイン♪ってことで、手作りのサーターアンダギーがあったりも♪あと、ショコラケーキも作ってきてくれた子がいたり……いただきましたよ。ホントにおいしかった〜!

私の出番は7番手。ちょうど真ん中あたり。
衣装はいつものエスニックスタイルを少し、大人っぽくしてみた感じ。そして、帽子。どうしても帽子をかぶりたかったの。
私のヴォーカルレッスンの先生(=師匠)や、レッスン仲間からのアドバイスをいただいて、色々考えた末の今回の衣装。
しかし、どことなく……師匠の雰囲気が……あはは……(^_^;)
「そりゃ似るでしょう、先生だもの。大好きで、大尊敬している先生なんでしょ?歌い方も、どこか似ていると思うし(笑)そのスタイル、似合ってますよ、マジで」
とは、ライブハウススタッフのNくんとKくん(このふたりは私の師匠が誰かご存じなのです)。
演者仲間のTちゃんからは、
「わー!いいなー、エスニックスタイル!お似合いですね!私も着てみたいけれど、組み合わせが難しいじゃないですか〜!ちゃんと、着こなしていらっしゃるし、すっごく似合う〜!」
と……褒めていただいちゃいました。洋服で褒めてもらえるのって、ホント、嬉しいですね。いくつになっても嬉しいです。

私は4曲、うたわせてもらいました。
アニソン、特撮、VOCALOID。今回、VOCALOID曲は初めてのチャレンジ。
「碧詩さんは、特撮のイメージが強いな」
って言われましたが、今回はあえて特撮は1曲に抑えてありました。
師匠からも、
「特撮だけじゃなくて、アニソンも歌えるようにしようか」
っていう「個人的な課題」もいただいていることもあり、カラオケなんかも、最近はアニソンをちょいちょいと歌っていたりします。
そして、今回は……VOCALOID曲に一番、リキ入っていた。
ライブに出た時からの夢。どうしても、どうしても歌いたくて仕方なかった曲だったんです。
今回は、この曲を歌うために、とある方から絶大なご協力をいただきました。本当に感謝の言葉しか出てこないです。まさか、ホントに……まさか、こんなことまで…と。
(大事に歌いたい。これからもライブで歌っていきたい)
その気持ちがふつふつとわきあがったのは確かです。
丁寧に、気持ちを込めて歌わせていただいた……つもりです。
また、MCとかは得意ではないので、とりあえずは歌に関するお話をちらっと間に挟んだりしての、出演時間20分でございました。

今回は長丁場ではありましたが、エンディングまでライブハウスで楽しませてもらいました。
色々な人の歌を聞くのも勉強です。
そして、このライブ、演者さん同士で仲良くなるというか、情報交換みたいなこともすることが多く、私もひとつ、気になっていたことを教えてもらうことができました。すごくありがたかった。

本当は師匠たちにも聞いてほしかったけれど……そこはそれ、色々都合があるってものです。
そのうちに、また聞いてもらえる機会もあるでしょう。

帰りの電車は終電ギリギリ(笑)
心地よい疲れ……と、緊張感からの解放で、かなり気が緩んだと思いますが、油断大敵。風邪をひくわけにはいかないのです。
翌日の朝は、本番翌日恒例の「全身筋肉痛」で目覚めた朝でございました……ああ、確実にトシは取っていくのね……

演者のみなさま、そしてライブハウスのスタッフさん、お客様。
ホント、楽しかったです。ありがとうございました!
今度は4月……かな〜?

うたうって、楽しい。
難しいこともあるけれど、楽しいものです。

ねぇ、師匠?

思いは複雑。

  • 2016.02.12 Friday
  • 20:46
明日、本番。
色々、ココロの中は複雑。まぁ、でも、ウダウダ考えたところで始まらないんで、まずは明日の本番を楽しみたいと思う。

本番前はかなり神経が過敏になるようで、ただでさえイライラするタイプのニンゲンなのに、さらにナーバスになる。
仲間内の掲示板にも、今回は宣伝していない。これは昨年5月にちょっとした言葉のいき違いから、一度、書いた宣伝を全消去したことがあるからだ。詳しくは書かないけど、がっかりしたというか、もう、めんどくさくなったという……だから、書き直して欲しいと言われても、私は頑なに拒否した。
ま、私も大人げないんだが。
でも、本番直前につつかれれば、ナーバスにもなるだろうよ……私はそんなに強いニンゲンではない。色々、複雑な過程を経て、なんとか、ここまで保っている。

とにかく、明日が本番。
凹んでばかりはいられない。

うたうぞー!

今週末、うたいます。

  • 2016.02.09 Tuesday
  • 18:44
気温差が激しい日々、また雪の予報ですなぁ。

今週末に、とあるライブハウスで歌います。およそ9か月ぶりの出演。
今回は急に決まったこともありまして、さて、どうなることか。自分でもちょっとわからない状態です。
ステージに上がるというは、やはり緊張しますね。しかも、ソロ。昨年1月、ソロで初めてライブステージに立った時は、めちゃくちゃ緊張しました。
ステージに立とうと思ったのは、やはり、今のレッスンの「成果」を感じたかったから。そして、我が師匠が喜んで下さることを願っていたからです。

シロウトながら、うたうことに目覚め、なんやかんや言いながらも楽しんでいる自分。周囲のみなさんには応援して頂くことも多く、ホントにありがたいお話です。
その分、風当たりも若干ありますが。色々ありましてね……

私の周りにはいろんな人がいます。
例えば、ガールズバンドでドラムをやっている子。彼女はホントに元気で前向き。アルバムやシングルも出して、ライブ活動もガンガン、やっているんですよ。
彼女とは時々、某所で会うのですが、いつ話しをしても、ホントに元気です。
「自分がやりたいからやっているんだもん、楽しまなきゃ!」
と。
それから、フリーで役者をやっている女性。元は某劇団にいたのですが、思い切ってフリーになり、今は色々な小劇団に呼ばれているそうです。私も何度か観に行きましたよ。
彼女も前向き、元気な子。彼女とは某仕事先で知り合いました。
ハケンという仕事柄、役者をやっている方々とお知り合いになることが多いですね、私は。
「え、ささちゃん、歌うの?すごいじゃん!うたうのは、さすがに無理だ、私は」
と、笑っていたなぁ。

みんな、ホントに前向きに頑張っているなぁ。

私はこれで喰って行く訳では無いけど、それでも、シロウトながら、ステージに立つのは、これからも続けていくでしょう。
私にも夢がありますから。難しいかもしれないけどね。
でも、夢見ることくらいしなきゃ、ソロでステージに立たないよ。だって、ホントに願っていることだもの。

さて、今週末、あっという間にきてしまいそうだなぁ。

その後には、これまた人生初のことが待っていたりします。
その話しは、また後日。

話したい、話したい、しゃべりたい!

  • 2016.02.03 Wednesday
  • 00:54
勤務先にも、ついにインフルエンザが襲来!
先輩コミュニケーターさんが数名、やられてしまい、仕事に出てこられなくなってしまいました。
勘弁してくれー!ということで、マスクして仕事する自分でございます。
風邪ひいてられないんだよ、こっちは!最大限の防御をするしかないんですよね〜。
素人ながらも、うたをうたうニンゲンとして、喉をケアしていかないとなりませぬ。でも、マスク大嫌いな私には、正直、苦痛なんだよなぁ…でも、風邪ひいているわけにはいかないし……ああ、ジレンマ。

それにしても、昨日から、一部界隈でちょこっとザワついた話しがあったけれど、幸い、なんとか無事に収束しそうな感じ。
だけど、ちょっとお粗末な結末というか展開だなって、思ってしまったのは私だけではないと思う。
私はもともと、そちら方面には疎いし、なるべく近づかないようにしているのだけれど(色々、都合があるのです)……うーん。
まぁ、とりあえずは、なんとかなるのかな。だといいんだけれど。
メインであるはずの人を、ないがしろにしちゃいかんがね……うん……

ああ、色々、しゃべりたい、語りたい。相談したい。
本当は色々、話をしたいんだけれどな……まだ先になっちゃうのかな……仕方ないのかもしれないけれどね……ちょっとさみしい。
でも、待ってる。うん。

ああ、もうこんな時間だー。
さすがに寝る(寝られたら、ね)。

おやすみなさい。

自分の居場所。

  • 2016.02.01 Monday
  • 08:04
今から12年前になる。
新幹線の駅までの道すがら、車の中で、私は運転している父とぼそぼそと会話していた。
もともと、無口な父が、ぽつりぽつりと話をしてくれる。
色々な経緯があり、私は初めて、実家を出て東京へ行くことになった。
駅で降りて、荷物を抱える。
「じゃあな。何かあったら連絡するんだぞ」
とだけ言うと、父はまた帰って行った。車が見えなくなるまで、私はその場を動かなかった。
片道だけの切符を買う。これも初めてのことだった。いつもであれば、往復分を買っておくのだが、このときばかりは片道だけ。

その日から、私はひとり、首都圏に暮らすことになる。

1年後、私は今のマンションに引っ越すことになった。
パワハラとセクハラもどきに悩まされた末の決断、私を東京へ引っ張り出してくれた人には感謝もあったが、それ以上にきついことがものすごい勢いで重なり、疲れてしまったというのもあった。多くは語らないが……こんなものかとも思ったし、ニンゲンって怖いなって思ったのも事実だった。
派遣会社に登録し、無事に仕事をもらって、私の学歴ではまず、勤務できないような大会社へ行くことになった。
やりなおし社会人1年生のつもりで、私はその会社へ通った。
すごく面白かったし、やりがいもあった。難しい仕事ではあったけれど、亀の歩みだけれど、初めてのことも多くて、面白かった。
自分ができることは、この当時から「声を使った仕事」だなって思っていた。

派遣というのは、長くその会社にいることはできない。
色々あって、私はその後、複数の会社を転々とする。すべてが電話の仕事=テレオペだった。
テレオペの仕事に、私は魅力を感じていたし、自分ができることだと思っていたから。
だけど、もともと、私は人との距離を取るのが非常に下手であり、また、人と接することが苦手な部分も多く(見た目はそう見えないらしい)、どうしても職場で浮いてしまう感じも否めない。それでも、仕事を続けて円満で契約完了させて、複数の会社を渡り歩いた。
その中で、とある勤務先で決定的なことが起こる。

女性の集団は怖い。

じわじわと追い詰められ、遠回しに仕事を変えられ、仕事時間も短くされて、時給も下げられていく。
最初に約束された契約と随分違う話になり、些細なことで呼び出され、ふたりの上司に2時間以上も別室で叱責・言葉巧みに責められて、それが何度も繰り返される。些細な失敗も揚げ足を取られ続け、何を言われても涙目になり……仕事へ行っても落ち着きがなくなり、周囲が怖いと思うようになってしまったのだ。夜も眠れない……眠れない、眠れない。とにかく、眠れない。
自分ひとりではどうしようもなくなり、八方ふさがりの状態になってしまった時、近所仲間であるとあるご夫妻が声をかけてくれた。
「おいらが行っていたお医者さん、教えてやるから行って来い。今のあんたは、ふつうじゃないんだ」
特に私と同じ経験があるダンナさんが、躊躇う私の背中を押してくれた。
「今は心療内科・精神科にかかるのは、そんなに気に病むことじゃない。とにかく、一度、ドクターと話をしてこい。それだけでも随分と違うぞ」
こうして、初めて私はメンタルクリニックというものに通うことになった。
なかなか自分に合う医者を探すのは難しいジャンルだというが、幸い、私は教えてもらったところがあっていたらしい。
初診の時、私のとりとめのない話を、ドクターはずっと聞いてくれた。
ふっと、気づいて深呼吸しようとしたとき、ドクターはこう言った。
「あなたはアタマが良すぎるんです。周囲に気を遣って、自分を抑えてる。それに、なんでも要領よくやろうとしてないかな?自分をもっと楽にしてあげてもいいんですよ。疲れているでしょう?もっと自分を褒めてあげましょう。もう、いいんですよ……僕の前では肩肘張らなくてもいいんです」
この言葉で、私は一気に気が緩んだのか、途端に大声をあげて泣き出してしまったのだった……
「疲れているんだね…あなたを見ていれば、話しを聴いていればわかります。どれだけ自分を抑えているのか」

でも、私は未だに、自分を楽にする方法と言うのがわからない……

その後、私は仕事を休むことにした。
会社としても私を辞めさせたくて色々手を尽くしまくっていたわけだし、契約も終わるんだったら、そこで終了。
私は仕事を長期、休むというのをしたことがない。
会社には渡り合って、途中解約ではなく、満期終了&会社都合での形にしてもらった。直属の上司は渋ったが、そのさらに上の上司が了解を取ってくれたのである。これがあると、色々とこの後の都合にも関係してくるからだ。
途切れず、それなりに勤務していたのでハローワークにもきちんと書類提出し、受理された。
最初は長期休むことに遠慮していたけれど、仕事を探しながらの長期休み……周囲からも言われてたのだ。
「焦って探しても仕方ない、ろくなことにならないよ」
焦る私の気持ちを見越しての助言だったのかもしれない。

2年近く、私は仕事を探しながら(時々、許されている範囲でのバイトをしながら)過ごした。
眠れないのは相変わらずだったが、ドクターのところにはきちんと通い、薬も処方してもらった。

これでよかったのだ。

いざ、仕事を探し始めてからは少し大変だったけれど、それでもなんとか……派遣会社と色々話し合い、復帰した。
だけど、今も心療内科には通っている。
未だに、自分を楽にする方法っていうのは……わからないけれど……
これは、経験してみないとわからないと思うよ。
まぁ、全部はわかってほしいとは思わないけれど、こういうニンゲンもいるってことで、少しでもご理解いただければ幸い。

今の職場は男性の比率が多い。
女性も確かに多いけれど、このあたりはそれほど気にしていない。というか、スルーしている。
相変わらず、人との距離を保つのが下手ではあるが……もう、これはどうしようもないんだろうな。

仕事だけじゃない、プライベートでも。

色々……あるんだよねぇ。
私だけじゃない、みんな……色々。

今日から2月だ。
あれから……13年になるのか……
あれから、もうすぐ、13年目の春がくる。

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