波があるんだなぁ…

  • 2017.02.26 Sunday
  • 19:54

何にもする気が起きず、朝から身体を横にしている。

 

私の病状はそれほどきついものではないが、それでも、気を付けるに越したことはない。

現在は「骨髄抑制」という時期に入っていて、免疫力が下がっているから、風邪をひくこと、怪我などに気を付けないとならない。だから、極力、外へ行くことは避けているし、外へ行くときは、たとえ近所のコンビニに行く時でもマスクを欠かさず、つけて行くようにしている。マスク大嫌い!の私にしては、上出来だと思っている。

2回目の投与後の、副作用の山場は越えたけれど、手足のしびれがとれない。正直、前回よりきつい。あと、疲れやすくなったなぁとも思う。これは前回の時と比べても、なんとなくわかる。

投与されれば、正常な細胞にまで影響があるから、どうしようもない。

体重も減少傾向にあることは、前回のブログに書いた通り。今、やっと、まともに食事が摂れるようになったので、無理をしない範囲で、なるべく食べるようにしている。味覚の好みには変化はないのだが、少し甘いものを食べたいなって思うようになった。そもそも、今までが甘いものを「食べなさすぎ」だったということもある、いや、マジで。

だから、食べたいなって思った時は、チロルチョコひとつくらいの大きさでいいので、甘いものを口にすることがある。ちなみに、最近のお気に入りは、セブンイレブンにある、みかん入りの牛乳寒天。少しお値段はするけれど、あの柔らかさと甘さと酸っぱさがちょうどいいらしい。

そういえば、頭髪の脱毛は第2弾が来ていて、だいぶアタマがさみしくなった(笑)寒いので、自宅にいるときでも帽子をかぶっている。そのうちに全身の毛が抜けていくので……これはこれで、ちょっと困ったもの。ま、治療が終わればまた生えてくるんだけれど。

 

……私の運命なんだろうなぁ、これも。

なりたくてなった病気じゃないよ……でも、なってしまったものは仕方ないもんなぁ。

さみしくなったアタマを自分で触ってみて、小さくため息。

 

本当は、今すぐにでも会いたい人がいる。色々、話しをしたいんだ。

だけど、向こうも色々……都合があるから、私はとにかく、待っている。

約束したから。

ココロが痛い。

  • 2017.02.25 Saturday
  • 20:07

治療中は、ものすごい疲れやすいというのもひとつの特徴。

土曜日は一歩も外へ出ることがなく、家の中で過ごした。身体を横にしている時間が長かったもんな。

 

時々、自分の状況をスマホに撮影しているんだけれど、今日は実家の母に送信したんだが、母からの返事は、

「またやせたね。でも、乗り越えなきゃならないんだから、仕方ない。無理はしないことだよ」

だった。

 

母は……どんな気持ちで、娘である私の「現在」を見てくれているんだろう……

それを思うと、胸のあたりがすごい締め付けられる。

手術前日に、実家から初めて、私が暮らす街まで来てくれた。

ひとりで来るのは大変なので、都内に住む叔父夫婦と一緒に来てくれた。

その時の私の姿(体形)を見て、母はきゅっと表情を変えたことを、今も覚えている。

 

5時間近い手術を終えて、集中治療室へ入った後に会った時、私は初めて、母の前で泣いた。

「ごめん、お母さん。本当にごめん。がんだった……って。本当にごめん。こんなことになるなんて思わなかった…」

口元に取り付けられた酸素マスクの下で、声をあげて泣いた私に、母は、

「がんばったねぇ。よくがんばったね。おなか、楽になったね。泣くな、謝らなくていいから」

と、笑って……でも、涙を浮かべながら、私のそばにいてくれた。

それから、

「いい先生に会ったね、あんたは……あの先生はとっても、いい人だ」

と言った。私の担当医であり、執刀医でもあるA先生のことだった。きっと、何かあったんだろうと思うのだが、今もそれについては特に聞いてはいない。

 

親不孝しているな、と……改めて思う。

入院中、特に、そのことがとても気になっていた。

退院して、実家に戻って療養させてもらっていた時に、ふたりで話をすることもあったが、私はどうしたらいいのか……未だにわからない。

これは、母に対してだけではない、父にも、そして末弟と、100歳の祖母と……叔父夫婦に対しても同じだ。

 

……私はどうしたらいいのか。今も悩んでいる。

だけど、今は、とにかく治療を続けていく。

心配かけちゃいけない……でも、大病を患ったことで、充分、心配かけているわけで……

 

どうしたらいいのかな、本当に。

好みの問題ではあるが。

  • 2017.02.24 Friday
  • 23:09

エスニック調の服を着ることが、この数年の私の趣味でもある。

まぁ、周囲の人たちの一部からは、色々……言われているんだが、そういった声はとりあえず、スルーしていくように務めている。

だいぶそういった声は治まった来たけれど、そこまで言われないといけないのかな〜っていうのも……あったりする。ま、いいんだけれどね。ただ、ひとつ、言えることは、

「つべこべ言うんだったら、自分で着てみればいいだろ」

ってこと。結局、着てみたいんじゃないのかな、あれこれ言ってくる人って。

 

療養中の今は、天候や気温にもよるのだけれど、体調がいい時はできるだけ、散歩に行くようにしている。

アタマの中の空気を入れ換える必要もあるし、気分転換にもなるからね。免疫力が下がっている時もあるから、完全防備してのお出かけになるんだけれど。マスク嫌いの私だが、マスクは必須。メガネが曇るから嫌なんだよな、息苦しくなるし……まぁ、仕方ないんだけれどね。

この近隣に暮らして10年ちょっと経つので、顔見知りの人もちらほらといるし、近所の小さな公園で休んでいたりすると、声をかけてくれるおばちゃんとかがいて、まだこの辺りには、古き良き時代の日本が残っているのかな、なんて思ったりもするのだ。

 

散歩ついでに買い物に行くことも多い。

ここ数日、立て続けに言われているのが、私の服装。偶然だろうが、買い物に行った先のレジのおねえさんとか、タクシードライバーさん(これも女性)とか。

タクシードライバーの方は、

「遠くから見て、ぱっと目についたんですよ。あ、いいなって」

と言い、レジのおねえさんは、

「どこでそういった服、買うんですか?」

またある日は、別のお店の若い子が、

「おしゃれですよ、すごく。お似合いになるからいいなぁ」

と……

で、共通して言われるのが、

「エスニックの服って、どうやって着たらいいのかわからない。コーディネートが難しい」

ということなんだよね。

 

エスニック調の服は、重ね着が基本。

色調や服のカタチが独特なので、確かにぱっと見た目、難しいって思うのかもしれない。でも、私もこのあたりは、最初は悩んだけれど、今は適当というか、自分が気に入ったものを組み合わせて着ている。

だから、どうすればいいのか?って言われても、私も返答に困ってしまう。ホント、これは好みの問題もあるから。

 

私の場合は、この服装は、お手本になった人(ちょっと年上の男性である)の服装を参考にさせてもらっているというのも、ある。この方と会うと、必ず互いに着ている服の情報交換などもしたりして。

最初は遠慮していた私だけれど、この方からは、

「むしろ、同じような服装をしてくれるのが嬉しい」

と言われて以来、どんどんエスカレートしてきた。

モノにもよるのだが、お値段もお手頃なものが多い。ネットなどで有名なチェーン店は高かったりするけれど、探せば、お手頃なお値段で販売してくれるお店もある。私が贔屓にしているお店は、先ほどの男性から教えてもらったお店でもある。

あとは、ネット通販。ネット通販など、ほとんど使わない私が、とあるお店だけは何度もリピートしている。

 

服って、本当にこれは個人の好みの問題だよね。

 

手術後、体形が一目瞭然で変化した。

それまで入らなかった服も、軽々、入るようになった今は、服を色々、組み合わせて着ている。

好きな服を着られることって、本当に嬉しいものだよ。

楽しいことを遮られる筋合いはないし、それを気にする私も、ちょっと神経質になっているのかもしれない。

何かと大変な今は、精神的にも、体力的にも、ストレスを抱えちゃいけないって、担当医に言われているのにねぇ……

嬉しいこと。

  • 2017.02.23 Thursday
  • 06:11

2回目の投与後、地獄の副作用……

それでも、今日はだいぶ……ラクなほうだ。投与されて一週間くらいはやはり、しんどい。

副作用が出ているときに食べられるものやら、対処法などは前回でなんとなく把握しているので、それらを考えながら、なんとか過ごしている状態。

 

何度か書いているけれど、これね……本当になってみないとわからない痛みと苦しみだよ。

 

だるい、痛い、手足がしびれる、かゆい、疲れやすい、食欲が出てこない。

すべて副作用なんだよなぁ。

今も、キーを打っていても指先に感覚がないから、なんだか打っている感触がなくて気持ち悪いし、いつものスピードで打ち込めないし、打ち間違いも多発している。

それでも、覚え書きのようにして、こうして打ち込んでおきたいという気持ちも大きい。

 

派遣元の担当から連絡が入った。

ずっと心配していたことだったのだが、勤務先の責任者からのありがたいお話しがあった。

本当に、何と言ったらいいのか……連絡を受けた時、本当に嬉しくて、一瞬、カラダの痛みも吹っ飛んだくらいだ。

派遣歴10数年になるが、こんなにあたたかい気持ちになったのは初めてで、本当に嬉しくて。

少し前に、勤務先の責任者と直接、お話してきたけれど、その時の相手の顔を思い出して、

「ああ、あの時に言ってくださったのは、本当のことだったんだな」

と……本当に本当に嬉しくなった。

もちろん、派遣元の担当の尽力もあってのこと。担当にも丁寧にお礼を述べると、

「ささやんさんの気持ちが伝わったんですよ。私もね、本当に嬉しくて。こんなこと、なかなかあるものじゃないですよ。励みになりますよねぇ。こういうことがあると、私も担当としてとっても張り合いになりますよ」

と。

なんでも、責任者のN氏いわく、

「仕事があるというのは大事なこと。そして、仕事を続けたいと思っている人に対して、帰ってくる場所を奪ってはいけないと思うんです。弊社には病気を抱えた人も多いし、そういった中で復帰している人も大勢いる。戻ってくる場所があるということで治療のモチベーションも上がるといいなと思っています。だから、今はなんにも心配しなくていいから、安心して治療に専念してください。僕たちは待ってますから。帰ってきたら、フルタイムはすぐには無理でしょうから、時間短縮勤務も相談しましょう。応援してますよ!」

とまで言ってくださったというのだ。

勤務先は大きな組織だ。でも、そういうところって、もっと派遣社員をぞんざいに扱うのかと思っていたのだが……

 

言葉がないよ、本当に。

 

このことに対する「お礼」は……今はとにかく、治療に専念することだと思う。

本当に励みになる。

 

勤務先のN氏と組織の方々、派遣元の担当。

周囲の人たち……

そして、家族・親戚。

 

どうやって、お礼を言ったらいいんだろう。

どうやって……どうやったら……

 

ありがとう、ありがとう。

本当にありがとうございます。

今は……それしか言えないよ。

やっぱりしんどい…

  • 2017.02.19 Sunday
  • 10:40

先週末、2回目の抗がん剤投与をしてきた。

 

採血やら採尿やら……色々な前準備があって、担当医の診断が最終的に入り、体調もOK、検査もクリアということで2回目に入ったんだけれど……一日かかるんだよなぁ、これが。今回からは外来治療センターで受診することにしたので、こちらの看護師さんやヘルパーさんたちとのコミュニケーションが大事になってくる。

抗がん剤治療の患者は基本、ベッドを割り当てられるようで(ここにはベッドは4床、リクライニングチェアが11席ある)、私はベッドの上で点滴を受けることになった。抗がん剤の薬は特殊なものなので、取り扱いも難しいらしい。準備するのもかなり厳重で、防護服も着用、なにかあれば、必ず二重チェックが入るようになっている。

さすがに一日過ごすということもあり、テレビもあるし(これが無料なのよね)、お願いすればDVD再生専用デッキも貸し出してくれる。スマホも基本OKで、書籍持込みもできる。

私も文庫本を2冊、マンガを1冊持ち込んで、のんびりすごすことにした。

最初のスタートで少し躓いたけれど、まぁ、なんとか生食水を入れるところから始まる。その後、吐き気止めの点滴が30分入って、その後に30分の休憩。これはお昼休みに割り当てられる。

外来治療センターの専用待合室で、持ってきたお昼をもぐもぐ。大きなテレビがあるので、それを見ながらご飯をたべていたんだけれど、偶然というか、なんというか、新しい肺がん治療薬の話題が出ていた。

高額医療費を使っても60万を越えるという薬品代。

開発に相当の金額がかかっているのは理解するのだが、それにしても……なぁ……ただでさえ、医療費がかさばるばかりで、でも、稼ぎはなかなか上がらず……なのに。

自分の場合も正直、10万単位での治療費だ。慌てて健保に限度額認定証を申請したところ、2日で届いた(汗)びっくりした。

「使えるものは使おう。そのための社会保険制度だよ。手続きはめんどくさいかもしれないけれど、あとあと、楽になるし」

とは、友人からのアドバイス。確かに書類仕事だからめんどくさいのよね(苦笑)

だけど、これが本当に助かっている。傷病手当や高額医療費制度などは、本当に大事だ。

 

休憩の後、再び治療センターに戻る。

ここからがまた、長い。ひとつめの薬は3時間かかるし、もうひとつは1時間かかる。その間にお手洗いとか……あるから、どうしても一日仕事になるわけだ(ラストに生食水を入れるので、さらに15分くらいかかる)。

点滴中は、30分置きに看護師さんたちが様子を見に来てくれる。

途中でうとうと……

 

点滴がすべて終了したのが18時過ぎだった……長すぎるよ(汗)

 

総合受付もすでにクローズしてしまったので、時間外窓口での会計。

先ほどの限度額認定証を出したので少し時間がかかったようだ。出された領収書を見てびっくりしたと同時に、ホッとした。

「うええ……マジで?」

およそ3分の1に減額されているじゃないか。

「…限度額認定証ってでかいですねぇ…」

と呟いたら、窓口の担当さんも、

「ええ、これは大きいですよ。使わない手はないですよ」

と言ってくれた。

 

病院を出ると、すでに真っ暗。

実家に電話連絡をしていたら、ちょうど駅へ向かうバスが来たので、それに乗って帰宅した。

 

投薬された翌日から、早速、副作用に悩まされる(号泣)2回目ということもあって、副作用が出てくるスピードが速いとみた。

回数を重ねるごとに、薬が蓄積されていくから、どうしても……ね。

細胞レベルで浸透していく薬。

必要だからやっているんだけれど、ホント……薬の威力ってすごいなと、別の意味でも怖さを感じている。

 

今、これを打ち込んでいるが、実は2時間くらい、かかっていたりするんだよね……体調を見ながらやっているから。

 

だけどさー……ホント、医療費が上がりっぱなしなのは本当にどうにかしてほしいと思う。

超高齢化社会になっているから、仕方ない部分もあるのかもしれないが、これはどこかで絶対に壊れるんじゃないかと思うぞ……ホントに。

 

……ああ、しんどい……(号泣)

ちょっと言いたい。

  • 2017.02.16 Thursday
  • 14:10

今回の病気についての治療は、私自身が決めたことでもある。

担当医、家族とも相談したし、自分も根本的な部分から叩いておきたいという気持ちがあった故に、今、治療をしている。

 

2月16日のニュースで、5大がんの10年生存率は平均58%というものがあった。

『全国成人病(がん)センター協議会のサイト内「全がん協生存率調査」』

http://www.zengankyo.ncc.go.jp/etc/index.html

 

これらのデータは、少し前のものだから、2016年のあたりだと、もう少し確率は上がっているだろうと思う。

これを巡り、ネット上なんかでは、色々、意見が飛び交っているんだが……それらを読んでいて、ちょっと思ったことを。

 

治療にしても、化学療法にしても、受けるか受けないかについては、患者本人・家族に委ねられる部分だ。

症状や患部などによっても変わってくるだろうし。

ただね……現・がん患者として言いたいのは、

 

「ココロないことや、治療なんぞしなくてもいいという意見を述べている人、いざ、自分がその立場になった時に、泣き言、言うなよ?」

 

今の世の中、どんな人でも、がん患者の立場にならないとは限らない。

確かに、治療費は高額、時間もかかるし……ほかにも、細かいことを言いだせばたくさん、出てくる。

あと、いい病院・いいお医者様に出会えるかどうか……これらにも、かかってくることだと思うのだ。

 

怖いぞ、本当に。

ステージ(病気の進行具合)がどんなものであれ、やはり「がん」という病名には、それだけの脅威もある。

その立場に置かれないとわからない、理解できないことってたくさん、あると思う。

私だって……なりたくてなった病気じゃないんだ。

突然、自分にふりかかってきた病気なんだから……


複雑な問題だとは思うんだ。

色んな話を見聞きしているし、実際、今、がん患者として治療している方々のお話しを色々聞いていたりするとね。

だからこそ、おいそれと……簡単に……答えが出せる問題ではないのも確かなことなんだよなぁ……

 

それでも、私は治療を続ける。

だって、少しでも回復できる(完治、じゃないよ)、いい方向に進めるのであれば、私はそちらへ歩いて行こうと思ったから。

やりたいこと、ある?

  • 2017.02.13 Monday
  • 23:19

療養継続中。


派遣元の担当とも改めて話しをさせてもらい、今月いっぱいはお休みをいただくことにした。

正直、私は仕事に復帰したいのだが……担当医からのGoサインが出ない限りは難しいだろうなぁ……(遠い目)

 

先週末からちょっと、調子が上がらず、おとなしくしている。

特に副作用などが出ているわけではないのだが、今週末に迫った2回目の投与のことを考えて、体調を整えておこうという考えもある。まぁ、体調が悪ければ、投与を延期することもできるのだが、できればそれは避けたいからだ。

Twitterでの呟きも、先週末から止めている。

あまりSNS向きの性格をしているわけじゃないので(笑)、時々、こうして「なにも呟かない期間」があったりする。

 

まぁ……色々、あるのよ、感情的に。

 

それでもTwitterを見ていると、みんな、好きなことしているなーって思う。

いや、もちろん、それぞれの生活があって、それぞれに色々工夫して、時間を過ごしているわけで。

 

だけど……今の私には、なにかやりたいことってあるのかなぁって……思ってしまったのだ。

 

うたうことについては、今はちょっと難しいかなって思う。

数日前に書いた件もあるし……ほかにも色々……複雑な思いがある。

この気持ちは、また話せる人に会うことが出来るまでは、ちょっと……おとなしくしていたいと思っているから。

 

なにかに夢中になることって、最近、ないなぁって……思った。

 

今は、治療に専念するときなのだろう、きっと。

 

……会いたいな……

ぼちぼち…

  • 2017.02.11 Saturday
  • 01:31

勤務先へ顔を出してきた。

この日は体調も気分も、すごくラクだったので、実際に自宅から行くことが出来るのか?ということもあり……

いつもであれば特急で行くのだが、快速急行に乗り、山手線に乗り換え、会社の最寄駅で降りる。

駅からは少し歩く。久しぶりにビルの間を歩いて、勤務先へ向かった。

会社の前で立ち止まる。

カバンの中にはIDカード、入っている。少し考えたが、IDカードを取り出して、職員専用口から中へ。エレベータでロッカールームへ行ってみたが、時間も時間だったので、誰もいない。ちょっとホッとした。

自分のロッカーを確認して、中を軽く整理して、ふたたび扉を閉じる。

「どうしようかな……」

と、また少し考える。階段を上がり、勤務している部屋のドアの前で、再び考えた。

「あ…」

ドアが開いて、事務担当のSさんが出てきた。

「どちら様でしょう?」

と、訝しげ。

うわ、私だとわからないんだ(笑)慌ててマスクを外して、

「私です!ささき(仮名)です!」

と言うと、

「うわ!?びっくりした!マジか〜っ?!」

「お久しぶりです……」

「話し、聞いてるよ。大丈夫なのか?歩き回っても」

「はい。おかげさまで今日は……」

少し話しをすると、Sさんはドアを開けてくれて、中へ入れてもらった。

(あ、久しぶりだ)

中へ入ると、いつもの雰囲気がわかる。でも、今日はだいぶ落ち着いているかしら。

そっと、フロアへ……誰も私だとわからないみたい、やっぱり(苦笑)

入口近くのデスクにいたSVのUさんに、小さく声をかけてみる。

「Uさーん、Uさーん……」

ふっと気づいてくれて、顔を上げてくれたUさん、私の姿を見ると、細い目が見開かれた。

「おお!ささきさんか?」

「はい、お疲れ様です……お久しぶりです」

すると、次々と私に気付いてくれた人たちが来てくれた。通りかかった同僚の中でも、最初は私だとわからず、しばらく顔を見て、私だとわかると、顔が驚きに変わる。やはり、それだけ体形が変わったということなんだなぁ。改めて痛感。

やっぱり、まずは体格を見てびっくりする。一体何があったの?と……一部の人たちには、長期休養の件は話してある(派遣元の担当が、とてもしっかりしている方なので、私も報告を欠かさず、勤務先への報告はお任せしている)のだが、ほとんどの人は知らないはずだ。

「いや、実はね……」

と、正直に話をすると、次は絶句。

「だーいじょうぶですよ。おかげさまで。生命、繋いでもらったし、今日は痛みも少ないし、気分もいいんです」

「でもさぁ…」

「まさかそんなことになっていたなんて!」

なんか、嬉しかった。

そこへやってきたのは、フロアの受付長、Nさん。私の姿を見て、びっくりしたと同時に、喜んでくださいまして……少し、お時間をとって、お話しまでしてくれたのでした。

またこちらの部署に戻りたいということを、派遣元を通じて話しをしてあるはず。Nさんは言ってくれました。

「今は仕事や契約のこと、気になっているかもしれないけれど、全然心配しなくていいから。とにかく、今は治療に専念して、しっかり身体を休めて欲しい。僕たちは待っているから、大丈夫」

と……

「今回の病気だって、タイミングでこうなっただけだしね。早めに病院に行って正解だよ。仕事のことは気にしないで。派遣元の担当さんもそう言ってくれているはずだよ」

ホント……ありがたかった。

丁寧に頭を下げて、お礼を言う。

「抗がん剤の治療、しんどいんだってね」

「はい、実はすごくしんどいです」

「僕は話しでしか聞いたことがないけれど……今はカラダを大事にしてください」

ホントに嬉しかった。

少しフロアの人たちに会っていくといいよと言ってくださったので、ちらっとフロアに戻る。邪魔にならないように、片隅に立ってフロアを見渡した。先ほどとはまた違った人たちが私に気付いてくれて、声をかけてくれたりも。

「戻ってくるの?」

「いや、まだわからないんだよ。ドクターストップがかかっているんだよね。私は戻りたいって、派遣元の担当と、あと、今、受付長にもお話しさせてもらった」

「そうかそうか」

「大丈夫、Oさんも同じ病気から復活して、今は昼間の仕事に移動して、短時間から始めているから」

「え?Oさんもそうだったの?」

「そうだよ。うちの部署、意外とそういう人、多いぜ」

ほかの人たちとも少し話をする。みんな、体形が変わりすぎた私を見て、びっくりして絶句していたかなりけれど……

「戻ってきてよ。あなたは即戦力なんだからさ」

というありがたい声もかけてもらえた。

本当に嬉しかった。

 

リフレッシュルームの自販機で缶コーヒーを買おうと行くと、フロアのオバ様軍団が私を見つけて、なにやらひそひそ話し。

相変わらずだね、あの集団は。

とりあえずは、軽く頭をさげて、その場を後にした。

 

この日はかなりの距離を歩いていたはずなのに、足取りが軽かった。

うれしかったな……本当に。

 

まずは、今の体調を、なんとか戻すようにしないと。

また来週、2回目の抗がん剤投与がある。なんとか……乗り越えなきゃ。

副作用のお話し。

  • 2017.02.08 Wednesday
  • 22:28

抗がん剤治療投与12日目、ついにやってきた……そう、脱毛。

 

副作用は人によって様々だというのだが、やっと筋肉痛や関節痛が緩和されて、動けるようになったと思ったら、今度は脱毛だよ。

昼間、出かける前に髪を洗っていて、ごそっと……それはそれは見事に…(^_^;)

「あははは……」

両手を見て、思わず笑った後に……涙が出てきた。

一応、これでもオンナだ。

抜けることは最初からわかっていたことだし、それほど気にしていなかったつもりだけれど、なんというのか、実際に見てしまうと……やはり、なんというのか。そのギャップというか、現実というか。

怖かった。本当に怖い。

でも、髪はきれいにしておかないとならない。地肌もお手入れ必要だ。だから、洗わないわけにはいかないんだよね。

軽く乾かすけれど、乾かしている間も抜けるのは止められない。買ってきたコロコロで床に散らばった髪を片づける。

そのあとに、散乱防止のヘアキャップを被り、その上から買っておいたスカーフを取り出して、巻き付けた。

これでとりあえずは大丈夫だろう。

 

まぁ、治療が終われば、また生えてくる。

でも、向こう1年くらいは…我慢だなぁ……

 

まだ2月だからね。外へ出ると、寒い。

帽子やら、スカーフやらが手離せないなぁ、うん。

うれしかった。

  • 2017.02.05 Sunday
  • 09:36

「おお、本当に体形が違うな」

夕方の世田谷区の某駅で待ち合わせしたTさんが、私の姿を見て言った。

入院前に私の姿を見ていたので、彼はよく知ってくれているし、今も時々、チャットなんかでやりとりさせてもらっている。ちょっと愚痴っぽくなっても、オトナの男性であるTさんは、それを聞いてくれる……おにいちゃんみたいな人だ(本人は「おじさん」と言っているが)。

私がどうしても行きたいお店があって、Tさんがそれにお付き合いしてくれるというカタチになった。

「待ってー、ゆっくり歩いてくれぇ」

「ああ、ごめん。ついつい……」

私も、いつものスピードで歩こうとしてしまうんだけれど、やはりしんどいんだよね。

目的のお店は土曜日の夕方ということもあって、やはり賑やかだったけれど、回転が速いので、すぐに通してもらえた。

「ホントにひとまわり、小さくなった気がする」

と、改めてTさんが言う。私は笑って、

「うん。ひとまわりなんて話しじゃないかもしれないけれどさ」

「あー……こういう言い方するのもなんだけれど、前の体形って、どう考えてもふつうじゃなかったもん。それに、今は、胸のほうがちゃんと出てる(笑)」

「あ、ひどーい(笑)そんなに胸があるニンゲンじゃないのにー!」

大笑いしてしまった。

オーダーしたものを食べながら、いろんな話をさせてもらった。

Tさんも、実は先月に、ちょっとしたことで入院・手術したので、その時の話しとか、私の治療の話しとか…私よりずっと、世の中を知っている人だから、自分の同僚さんの話を例に引き出してくれたりして、わかりやすく話しをしてくれる。

私がちょいと……ある言葉に振り回されていることを愚痴ったら、

「相変わらず気にしすぎの性格だな、まったく(笑)」

と、笑い飛ばしてくれた。

「その立場にならんとわからんさ……ほっとけ。そのうちに、報いはくる。どんな形でもね」

「……うん」

 

「そういえば、例の人には会ったのか?」

「んー、まだ。Tさんも知っているかと思うけれど」

「ああ、そうかもな。ま、気長に待つのがいいさ。急いでもいいこと、ないよ」

「そうだねぇ」

 

私がTさんの前でニット帽を一度だけ、はずして被りなおしたのだが、はたと気づいたらしい。

「あ、そうか。髪……も、そろそろか」

「そうなんだよ〜。もともと、髪もそれほど濃いほうではないんだけれどさ(笑)」

「いいじゃん、この際だからウィッグとかで遊んでしまえ。僕の同僚の女性も、けっこう遊んでいたよ。今はコスプレ用のウィッグとかあるから、仕事用とプライベート用で分けていたみたいだし」

「出来はいいけれど、医療用はさすがに高いよー」

「だろうな。あんたはとにかく、ネガティブに物事を捉えすぎるよ(笑)いいんだよ、なんでも前向きに考えれば。ちょっと言い方は悪いかもしれないけれど、今の立場を逆手にとって…人には経験できないことを経験しているって思えばいい。まぁ、僕もできれば避けたいことだけど、でも、いつ、自分にも降りかかってくるかわからないことだからね」

「うん」

「あんたはね、すごいんだよ。こうやって、自分の病気のことを隠さず、話しをしているんだから。それだけでも、すごいことなんだよ。大丈夫だって、まだまだこれからなんだからさ」

「うん、ありがとう」

 

御礼を言って、駅でわかれる。

 

帰りの電車の中、窓ガラスに映った自分を見る。

しっかり、完全防備をしているので、かなりアヤしいニンゲンにしか見えないのだが(笑)、でも、今の自分がそこには映っていた。

まだまだ……先は長いのよね……

 

Tさん、一緒してくれて、本当にありがとう。

すごいうれしかったです。

また遊んでくださいませね。

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