先週の土曜日あたりから、あまり体調が優れない。
顔面疼痛も少し出ていたし、痙攣も……ありゃ、これはちょっと…
月曜日、横浜市へ用事を済ませに行ったのだが、あまりの暑さにヘタる……
用事を済ませると、早々に脱出。
しかし、帰宅してからも、どうも調子が上がらない。
火曜日は完全にダウン。
身体を横にしている時間のほうが長かった。
水曜日……つまり、今日。
午前中に、いつもの病院へ行く。心理療法士さんに会うためだった。
子どもたちの夏休みが始まっているので、とにかく賑やかな病院の中。
療法士のKさんに会う前に、書類受付センターへ行って書類を提出していると、そこに通りかかったのは、外来治療センターのクラーク・Sさん。
「あ、ささなおさん!」
「うわ、Sさん?!」
久しぶりにお会いしたことになる。あとで外来治療センターへ行こうとは思っていたので、その旨もお伺いすると、
「はい、待ってますよー」
ということで……
内科外来の受付で通してもらい、心理療法士のKさんにお会いする。
それから、ひたすら……Kさんと話をする。ずっと、抑え込んでいた気持ちを、吐露するというか、吐き出すというか。
精神的に低空飛行気味だというのは、自分でもわかっていたことだが、とにかく……思っていたことを吐き出す。
2時間近く話しをさせてもらった。
「ささなおさんが、ずっと気持ちを抑え込んでいるっていうの、すごくわかるの。周囲に迷惑かけたくない、それは、ご家族や周囲の人たちに対してもそうだし、私に対してもそう思っていると思うのね。だけど、私には遠慮はいらないから。お話しを聞くっていうのが、私のお仕事だから(笑)」
「……」
「さっき、素直になれない自分が嫌だって言ったでしょ?そういうことに気づいただけでも、いいことなんですよ。それを素直に認めるっていうことが大事なんです。だけど、そういうことはすぐに治せるものじゃないから」
「はい……」
「いつでも、私には連絡ください。待ってますよ。どんな話でもいいんです。今回の治療の話しだけじゃなくて、ささなおさんがずっと、抑え込んでいた気持ちを少しずつでいいから、開放してあげる、自分を楽にするっていうことをやっていきましょう」
Kさんの言葉は、本当に嬉しかった。
ありがたくて……部屋を出るときも、アタマを深々と下げた。
その後、外来治療センターへ行ってみると、さきほどのSさんと、お世話になっている看護師のYさんが待っていてくれた。
爪の色が気になる、と手を差し出すと、Yさんはしばらく見てから、
「ああ、爪にしわが寄っているのも、抗がん剤の影響なんですよ。爪の色(正しくは爪の下の皮膚の色)がどす黒いのもそうだし……それはA先生もお話ししてくれたと思うけれど」
「はい」
そうなのだ。特に両手の親指と人差し指の爪、そして両足の親指の爪……かなりしわが寄っている。
抗がん剤はかなり強い薬だから、それが投与を終えて一か月以上経つ今も影響は出ている。だからこそ、手足の痺れ、指の関節痛というのもあるのだが。
「そういえば、さっき、A先生も婦人科も外来にいたけれど…どうする?先生にも言っておこうか?」
「先週の日曜日にもちょっと、お会いしたんですよ」
と、その時の話をすると、Yさんはなるほど…と頷いてくれた。日曜日にもらった薬は手足の痺れと関節痛を抑えるものだったが、もうひとつ、気になることがあったので、そのことを話すと、Sさんが院内PHSを手にして戻ってくる。
結局、A先生にはもうひとつ、新しい薬を出してもらうことになったので、婦人科外来へ行くことになった。
YさんもSさんも、
「大事にしてね。またいつでも来てください」
と言ってくださった。
外来治療センターから、婦人科外来へ(その前に総合受付を通してもらう)。
行くと、すぐにA先生が顔を出してくださった。
あれ?いつもだったら、婦人科のほうなのに、今日は産科の診察室にいらっしゃる(産科と婦人科は同じフロアで、中待合室を挟んで向かい合わせになっているのだ)。
「あ、僕、今日は産科の当番なんですよ」
いつものように、にこやかな笑顔でA先生は言った。
「ん〜、ささなおさん、やっぱり副作用が強いんだねぇ…」
「でも、先月よりはだいぶ楽なんですけれど……だけど、やっぱり痛いし、痺れるし」
「ふむ……」
電子カルテに打ち込んでくれながら、前回のCT検査の所見についても教えていただいたが、詳細はまた後日ということになった。
お礼を言って総合受付に戻り、会計を済ませ、病院を出る。院外処方せんだったので、病院の向かいにある薬局へ行き、すぐに出してもらうこともできた。
マンションに戻ってから、そのまま爆睡してしまった……
Kさんに話を聞いてもらったのも、安心した材料のひとつなのかもしれない。いや、確実に「ホッとした」んだろうな。
それだけ、大きい病なのだ……
うまく言葉や文章にはできないけれど、まだどこかで葛藤している。
それは、当事者でないとわからない部分でもある……こればっかりはね。