やる気が起きないという、現実。
本当に、ずっと家に閉じこもっている状態なんだけれど、さすがにこれじゃまずいかな……と思った。
それに、数日前に渋谷で友人と飲んだときも、その友人は、
「引きこもってばかりじゃダメだよ。体調にもよくないし、精神面でも落ち込むばっかりだよ、それじゃ」
と、心配してくれたこともある。
ネットで少しあちこちサーフィンしていて、ふと思い立ったのが、上野公園の周辺だ。
首都圏に暮らして14年ちょい。なかなか、都内の名所ってあんまり行ったことがないな……というのもあった。先々月には、鎌倉市へ行ったけれど……あれ以来、出歩いてはいない。
上野公園の周辺には博物館とか美術館とか集まっているから、なにか面白い展示でもやっているかな〜と思って、ちょいちょいと見ていたら、国立科学博物館で『深海2017』というのをやっていることに気づいた。
「あー、そういえば、NHKでも連動していたんだっけ」
NHKスペシャル「ディープ・オーシャン」シリーズと連動しているはずだ。テレビで観たっけ。8月中は、子供たちの夏休みで混み合っているのは簡単に想像できたから、あえて避けていたんだ。
天気予報を見ると、どうやら今日は雨の心配もないみたいだし……行ってみるか。思い立ったが吉日だ。
というわけで、電車を乗り継いで、上野恩賜公園に向かった。
JR上野駅を降りて、公園入り口にあるチケット販売ブースで、常設展と『深海2017』のチケットを購入。
久しぶりに暑い……でも、いい風が吹いてくる。
小学校の修学旅行以来じゃないかな、国立科学博物館。まずは常設展の方へ行ってみた。
ご存知の方も多いと思うけれど、国立科学博物館ってけっこう広いんだよね。パンフレットを手にして、入口の椅子に座ってから、どうしようかとにらめっこ。相変わらず、無理はできない。去年の今頃との体重差は13キロ近くあるから、歩くのには今のほうがずっと楽なんだけれど、やはり手足の痺れがどうしても出てきてしまう。実際、歩いていると、足の土踏まずからつま先にかけてが特に痛くなってくるし、痺れてくる。
まぁ、全部見て回るのも無理があるだろうと思ったので、行きたい場所を絞ってみた。
まずは、シアター36〇(さんろくまる)。
その名の通り、360度、ぐるっとスクリーンになっている、球体の映像室。6分くらいの映像を2本、組み合わせて上映してくれる。もとは2005年に開催された「愛・地球博」で使われていたもので、それを国立科学博物館へまるごと引っ越したものだとか。今月は「恐竜の世界–化石から読み解く–」と「人類の旅–ホモ・サピエンス(新人)の拡散と創造の歩み–」の2本立てだ。
「おおおお……」
天井から足元まで、音と映像が駆け巡る。独特の浮遊感などが味わえるのだ。これはSF好きにはたまらない構造(笑)一瞬、気持ち悪くなってしまうかもしれないが、すぐに慣れる人は慣れると思う。
わずか10分弱の上映だが(たぶん、ヒトが耐えられる限界の時間がコレなんだろうね)、すごい迫力があった。
その後、渡り廊下を移動して、常設館のひとつ『地球館』へ。
それぞれの階で展示されているテーマが決まっていて、自由に出入りできる。特に導線などはないので、自由に館内を歩き回れるというのも嬉しい。薄暗い館内なので、気を付けながら歩く。小学生の社会科見学とか、幼稚園の子たちの見学もあって、賑やかだ。意外と見学者が多い。それでも、スタッフさんにお伺いしたところ、夏休みの先月はすごいことになっていて、今はそれに比べたらずっと、人は少ないんだとか。
時々、片隅にあるベンチや椅子に腰かけながら、私もあちこち、歩いてみた。人間はどうやって誕生したのかとか、生物の進化、自然と生命の関わり……そのほかにも、科学や技術の進歩……途中で、ゼロ戦の実物や「はやぶさ」の実物大模型とか……などなど、盛りだくさんの展示物。個人的には「はやぶさ」が持ち帰った「イトカワ」の粒子のサンプルを見ることができたのが嬉しかったな。
あ、「おおすみ」を打ち上げたロケットランチャーは、今、お色直し&メンテナンス中なので見学できなかった。残念。今月半ばには見学も再開されるとか。
「ふ〜……」
絞ったところを見て回り、一旦、中庭のようなところへ出た。青空が広がってる。
水分を補給してから、いよいよ特別展へ。
入口で、音声ガイドの機械を借りることが出来る(有料)。せっかくなので、借りることにした。ちなみにナビゲーターは、タレントの中川翔子さん。しょこたん、嫌いじゃないので、これは嬉しかったな。
しかし!!
平日だというのに、なんだなんだ、この混み具合は!!すごい人、ひと、ヒト!!
なかなか展示物を見ることが出来ない!(涙)
それでも、人ごみに負けず(笑)、なんとか展示物を順番に見ていくことに。時々、音声ガイドのスイッチを入れて、しょこたんの案内や国立科学博物館の職員さんの説明を聞く。ダイオウイカとかグソクムシとか……標本があったよ〜!ほかにも、深海に棲む発光する深海魚やらなにやら……とにかく、標本の数がすごかった。よくこれだけ集めたよな〜っていう。
あと、しんかい6500の模型(これはさすがに原寸大ではなかった…)とかも面白かったな。
なんとか展示物を見て回り、最後にグッズ売場もちょこっと見て回る。
最初の入口にもミュージアムショップがあって、そちらを見ていて気付いた。
「古代アンデス文明展?」
10月21日からの特別展のポスターがあった。前売りチケットが発売中とのこと。ちょっと気になるなぁ。
ミュージアムショップの中をうろうろしながら考えて、思い切って前売りチケットを購入してみた。こんなこと、初めてだわ。
その後、国立科学博物館を出て、少し木陰で休む。時刻は13時30分ちょっと過ぎ。
この周辺には、ほかにも国立博物館とかせ国立西洋美術館、上野動物園とか……色々ある。天気もいいし……時間はまだある。体力的にはまだ大丈夫。とはいうものの、若干の痺れはでてきているんだけれど……あとは、お財布と相談……
「よし、行ってみるか」
そう、これまた小学校の修学旅行以来の(笑)、上野動物園へ!
いわゆる「正面入口」から中へ……私が大昔に来た時とはもう、全然違うんだろうなとは思ったけれど、でも、動物園そのものも久しぶりだ。
まずは、ジャイアントパンダ館へ。これはやっぱり行かないとね。
でも、ご存知の通り、シンシンはただいま子育て中。で、展示されているのは、オスのリーリー。運動場にいるとのことなので、静かに進んでみると、リーリーは木陰でゴロンと横になっておりました。おお、パンダを見るの、久しぶりだ。
そのほかにも、ゴリラ、トラ、鳥類やら……動物園の中、こんなに快適だったっけ?というくらいに綺麗にされていました。
途中で、ソフトクリームを食べて……あ、こんなの、しばらくやってなかったわ。
東園からモノレールに乗って西園へ。「いそっぷばし」を下っていくと、目の前に広がる蓮の群生。
そう、不忍池(しのばずのいけ)。
「わ、いい風が吹いてくるなぁ」
木陰のベンチに座り、しばらく目の前の風景を見て、ぼーっと、何も考えないで見ていた。
「……帰ろうか」
どれくらい経ったんだろう。やっと立ち上がり、弁天門口を目指す。
おなかが空いた。そういえばお昼、食べていなかったんだ。それだけ、夢中になって、みていたんだな
ホントに久しぶりだったな、上野動物園、国立科学博物館。
たまにはいいよねうん、面白かった。
上野駅の前で、少し遅めのお昼を食べて、電車を乗り継いで帰ってきた。
電車に揺られている間も、あの、不忍池の……一面の蓮と、その向こうに見える都会の風景を思い出す。
こういう時じゃないと、なかなか……ゆっくりと時間はとれないよな。
だからこそ、あちこち、歩くのもいいんだろうけれど……うん、無理しない程度に、また来よう