仕事に復帰して、およそ半月。
電車を乗り継いで仕事に行くというのが、どれだけしんどいかということを、改めて感じていたりする。
今は体調面を考慮して、かなり遅い時間に出勤するので、通勤ラッシュは避けられているのだが……
自分は今、杖をついて歩いている。
歩いているうちに足が痺れてきて、膝や脚そのもののチカラがいきなり抜けて、ガクッと膝をついてしまうことがあるからだ。
それでもだいぶ痺れは収まってきているものの、ふつうに歩くことが怖いという気持ちがある。
電車に乗って、座れるときはとても助かる。だけど、混んでいるときは混んでいるわけで、特に帰りの電車は気を付けている。
まぁ、特に何かあるわけでもないので、混んでいる電車を1〜2本見送って乗ることも多い。
座席が埋まっているとき、席を譲ってくれる方も、中にはいてくださるのが、とてもありがたく、そして優しさが身に染みる。
意外と席を譲ってくれるのは、若い男性。スーツを着たサラリーマン風の方が多いかなと感じる。20代〜30代とお見受けする女性も譲ってくださる方が多い。
で……意外と譲ってくれないのが高校生だ(笑)座ったまま、スマホを見たりゲームをしたりしている。
あとは、壮年の男性。狸寝入りする人とかもいる。その人の性根(しょうね)がわかろうというものだ。
別に、是が非でも譲ってくれとは言わない。
みなさん、お疲れになっているのはわかるし、座りたい気持ちだって、わかる。
でもね、顔を顰めたり、舌打ちしたりする人もまれにいるのは、なんだか腹が立つというよりも、悲しくなってしまう。
中には、
「優先席に行けばいいのに」
と言った壮年の男性もいて、なんなんだ?と、さすがにこれは腹が立った。
かといって、優先席に行っても、なかなか座れないことも多いのだ……このあたり、まだまだ難しいというか、どうなっているのかなって考えてしまうこともあったりする。
日本人はシャイだから、お声がけするのに勇気がいるんだろうという意見もあるけれどね。
療養中、新幹線に乗って、実家に戻るとき、荷物を持って座席に座り、その荷物をどうしようかと悩んでいたら、
「お荷物、棚にあげましょうか?」
と、お声をかけてきてくださった方がいた。見れば、若いサラリーマンさん。その方は、パソコンの入った少し大きめのカバンひとつを持っているだけ。旅慣れている方なんだろうなとお見受けした。
「ありがとうございます。お願いできますか?」
というと、彼は私の荷物を持って、軽く棚へ上げてくださった。
実家近くの駅で降りるときも、なんとなく気配を察してくださったのか、スッと立ちあがり、棚から荷物を降ろしてくださった。
その一連の行動が実にスマートで、言葉も決して多くはなかったけれど……カッコいいなって感じたんだよ。
「ありがとうございました」
というと、ペコっと小さく頭を下げて返してくれた。本当にスマートだったなぁ。
ちょっとした気遣い、心遣い、大事なことだなと思いつつ、電車通勤は続く。