いろんな人がいるもので。
- 2018.01.30 Tuesday
- 09:28
病気を患って、抗がん剤治療をしてから、歩く時に小さな杖が欠かせなくなった。
だいぶ歩き方もスピードも、病気をする前のものに戻りつつあるのだが、それでも、まだ痺れや痛みはあるし、脚が突然もつれたりするので、用心をする意味でもついて歩いている。
最近、電車に乗ると、優先席の付近へ行くことが多い。
私は病気をする前には優先席に座ったことは、よほど体調が優れない時にほかの座席が空いていなかった場合を除いて、ほとんどない。今もなんとなく遠慮する部分っていうのがあるけれど、でも、ずっと立っていると足全体が痺れてきてしまうので……
しかし、意外と優先席もなかなか……(笑)
もちろん、是が非でも譲れとは言わないし、そんな傲慢なことは思っていない。
でもね、いかにも健康な人が、スマホなんかをいじって座っているのを見ると、なんだかなぁって思ってしまうのだ。
あ、だけど、帰りの電車内、お疲れのサラリーマンさんとかOLさんなんかは、別にいいやって思う。みんな疲れているのは私も理解するし、そのあたりはすごいわかるから。爆睡しているおじさまなどを見ていると、
「おつかれなのね」
と、しみじみ、感じることも多いし。
あと、カバンを見ていると、妊婦さんのマークとか、赤い地に白い十字が入ったタグをつけている人もいるから、そういうところも注意しているつもりだ。
それに、譲るといっても、声をかけるタイミングとか、混みあっている電車内だと、タイミングを逃しちゃうときもあるのもわかる。それは、私がそうだったからね。
ちなみに、譲ってくれる人って、なんとなく比率があって(笑)、20代から30代の男性女性って、意外と譲ってくれる人が多いと思う。あと、小学生。中学生も中にはいるかな?
で、なかなか譲ってくれないのは、40代くらいから上の男性女性。あと、高校生。こいつらは、問題外というのも時々、見かける。部活で使っているでかい荷物を目の前の床に置いて、スマホをひたすら見ているとか……
酷い人の中には、それまで起きていたのに、お年寄りとか体の不自由な方が来ると、途端に狸寝入りを決め込む男性もいる(笑)
「優先席行けよ、バカ」
とか、
「優先席だから譲ってもらえると思うな」(←これは本当に酷かった)
とまで言われたこともあるし……あのね、全部聞こえてますよ?
この10か月くらい、杖をついているときに出会った人の中で、一番感心したのが、小学校低学年くらいの男の子。私立の学校に通っているのは制服とランドセルでわかる。学校帰りなのかな。
優先席に座っていたその子は、私の杖を見て、自分が持っていた小さなカバンを抱えなおし、
「ここ、どうぞ」
と、声をかけてくれたのだ。私も遠慮なく、
「どうもありがとう」
と、お礼を言うと、すっごい照れた顔でこっちを見ているのが、すごくかわいくて。
きっと、学校でも教えてもらっているだろうし、親御さんの育て方もあるんだろうなって思う。一番は、親御さんの育て方じゃないかと、私は思っているけれどね。もしかしたら、お母さんがさりげなくそういうことを子供の前でやっているのかもしれない。子どもって、大人の言動をちゃんと見ているものだとも思うし……
そういえば……私には子供はいないけれど、ふたりの娘がいる、弟その1が、この間、しみじみ言っていた。
「ホント、子供ってさ、自分(親)のやること、言うことをしっかり見ているもんだぜ」
あの男の子、優しさを忘れないでいてほしいなぁって思うなぁ。
たとえ優先席でなくとも、やっぱりね、優しさっていうか、気遣いってのは……必要だと思うよ。
自分、今、それをしみじみ、身に染みて思う。